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フランス=アフリカ関係/フランコフォニーを考えるためのブログ

   
カテゴリー「原子力」の記事一覧

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ワッドに共感する者はいない

Billets d'Afrique et d'ailleurs 202号(2011年5月)

「セネガルがロシアと交渉をすすめていた、セネガル川または海上での原子力発電所の建設計画を断念しました」。
 
先日開催された第4回「アフリカにおける再生可能エネルギー・環境国際見本市」で、セネガル大統領アブドゥライ・ワッドはこう宣言した。過去を思い返してみると、彼の言葉を不安な気持ちで受け止めざるを得ない。
 
「福島での事故を受け、[中略]原子力を公式に放棄します」と彼は付け加え、アフリカ連合(AU)に対し、2つの決議を次のように提案した。「第一の決議案は、アフリカを原子力利用ゼロ地帯にするためのものです。第二の決議案は、アフリカの人びとが原子力の開発を放棄し、太陽エネルギーを私たちの国々に導入するためのものです」。
 
私たちはとにかくワッドの認識とイニシアティブを称賛し、それが広がることを願いたい。たとえこうした動きが、原子力のセールスマンであるニコラ・サルコジに逆らうものであってもである。ナイジェリアからエジプトまで、大陸全土にわたり、民間の原子力発電所を売り込みたいとサルコジは考えている。
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原発情報

原発事故関連の情報は NUCLEAIRE(ニュークレール情報版)で発信しています。

◎本サイトからリンクしています◎

アレヴァという不幸

Billets d'Afrique et d'ailleurs 167号(2008年3月)

原子力エネルギーの需要が高まる中、ニジェールの広大なウラン埋蔵地が人々に好機をもたらすことはない。そこでは、政治的混乱、保健衛生および環境上の無秩序さが相変わらず続いている。
 
ニジェールは世界で最も貧しい国のひとつでありながら、世界第4位のウラン生産地である。また同時に、ウラン資源の埋蔵量でも第4位の位置にいる。
 
1970年代初頭からニジェールでウラン開発を行っているアレヴァ社の2つの子会社(ソマイル社とコミナック社)は、既に現地で10万トン以上のウランを生産した。NGOアギリンマン(Aghir in man)(訳注:ニジェールのアーリットに拠点を置く)とその代表(アルムスタファ・アルハセン)の要請で、2003年12月から行われているCRIIRAD(独立放射能調査情報委員会)による放射線監視は、明らかな放射線保護法違反と環境汚染を指摘している(note N°08-02参照←CRIIRADのサイト上でダウンロード可能)。
 
ウラン汚染と(再生しない)地層化石からくみ上げる水資源の衰弱は一例にすぎない。放射能塵や放射能ガスによる大気汚染によって、人体許容量を上回る放射線を一部の住民が浴びている。
 
アファスト西鉱山(コミナック社)の拡大に対する環境影響力調査は次のように述べている。「罹病に関して[中略]アーリットでは呼吸感染が最大の問題となっている」「鉱山工場からの大気廃棄物を含んだ砂風が、この地域に住む人々の肺を悪化させる要因となり得る」。
 
しかしながら、アレヴァの2つの子会社は鉱物だけでなく、それぞれの鉱山工場から出される2000万トン以上の残留放射性物質を屋外で保管し続けている。このような軽率さは、コミナック社とソマイル社が汚染された廃金属(スクラップ)を販売していることにもあらわれている。CRIIRADが2003年12月にアーリットの市場で購入した金属管には、非常に強力に生成中のラジウム226(1kgあたり23万5千ベクレル)を含む残留物質が検出された。2007年4月に2人の学生が行った検査でも、放射性汚染された廃金属の存在を引き続き確認している。これはひとりのスクラップ業者だけでなく、地域住民全体にかかわる問題である。
 
さらに、大気中での放射性物質の分散は、コミナック社の病院さえも巻き込んでいる。というのも、地表からの放出される放射線のレベルが、病院の出入口の前では正常値の最大100倍を記録している。もはや放射性物質が外部に運び込まれるという問題だけでは済まなくなっている。
 
放射能に加え、1万1千トン以上の硫黄と、5千トンのセメントを2002年に消費したコミナック社は、化学汚染も引き起こしている。経営者たちは温室効果ガスのことも忘れていない。つまり、1トンのウランを産出するには10トンの石油が必要となるのだ。そして、鉱山は石炭火力発電所から電力供給を受けている。
 
アレヴァはCRIIRADの調査結果を全て否定し続けているが、それでもこのグループ会社は、アギリンマンやCRIIRADの働きかけよって、いくつかの対策を講じてはきた。それは遅すぎるもので、また不十分ではあるが。
 
このことについては、アルムスタファ・アルハセンが、2008年1月30‐31日にヴァランス(訳注:フランス東部の都市)を訪れた際に明らかにしている。彼は数箇所の廃坑(最も汚染された堅坑が対象になったと想定している)、廃金属管理の強化、作業員が汚染された衣服を自宅へ持ち帰らないための、工場内へのコインランドリーの設置、輸送用ウランタンクの梱包強化、および、安全指示の強化(ウランタンクの上に人を乗せて輸送することの禁止!)が行われていると述べた。アルムスタファ・アルハセンはまた、作業員に渡される線量計の数が増えたことを明らかにした。
 
しかし、アレヴァが抱える責任は非常に重大であるため、情報開示と環境保護のための闘いはさらに拡大されなければならない。それは、ニジェール当局がヨーロッパ、アジア、北アメリカ、オーストラリアの企業に122の試掘権を付与し、そうした企業が開発予定地域に住む遊牧民たちを迷うことなく追い出しているだけに、一層重要だといえる。
 
2008年1月13日にアレヴァ・グループは、アーリットから南へ80kmのところにあるイムラレン地方に、新しいウラン鉱山の開発を認可する協定をニジェール当局と締結したことを明らかにした。それは、年間「5000トン近くの産出量によって世界第2位の規模となる、ニジェール史上最大の鉱業プロジェクト」となるであろう。
 
イムラレン地方では環境汚染が既に始まっており、そこでは、掘削孔に残された乾燥した大量の残留物質から、正常値の5~9倍のレベルのガンマ線が検出されている。
 
新しい鉱山開発に備えて、CRIIRADは環境及び人間への危険性を正しく測定し、制限するための緊急計画を立案するよう要求している。この点に関して、アギリンマンの有益な活動、「魂の抗議行動」を長期的に支援していくことが必要不可欠だといえる。
 
(ブルーノ・シャレイロン)

国際基準のための訪問

(スュルヴィ発信ではありませんが、関連情報として掲載します)



 
[…]フランスにとって原子力エネルギーは、エネルギー独立と温室効果ガス対策のための重要な要素です。この選択は、我が国の原子力施設の安全性という絶対的な要求を伴います。それは、全世界が認める厳正な要求です。フランスは欧州レベルでの取り組みの中で、原子力施設の安全性検査を十分に行っていくでしょう。2010年3月にパリで行われた国際会議で、フランスは安全基準の国際規格化を主張しました。ナタリー・コシュースコ=モリゼ(訳注:環境相)と共に、私たちはG20加盟国の原子力安全独立機関に対し、原子力安全の国際基準を定めるために、可能であれば5月中に会合を開くように求めました。そのような国際基準が存在しないことは極めて異常なことであり、ナタリー・コシュースコ=モリゼが主宰するこのパリでの会合は、G20加盟国の原子力安全機関と共に、規格の詳細を定めるために6月に開催される、IAEA(国際原子力機関)の会合に有益な材料を提供することでしょう。[…]

※太字は訳者による。

原発事故と放射能汚染【号外】

(スュルヴィ発信ではありませんが、関連情報として以下の動画を紹介します)



3月26日(土)、たんぽぽ舎緊急講演会

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