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社会の断絶と植民地の断絶

Billets d'Afrique et d'ailleurs 142号(2005年12月)

社会の断絶と植民地の断絶
 
 確かに、アフリカ出身の人々は難しい問題をつきつけている。フランスにおいてと同じく、アフリカにおいても彼らは居心地が悪い。要するに、彼らは自らが生きる世界にいかなる居場所もないと感じているのだ。アフリカにおける公正な議論すべてから遠ざけられ、フランスによって支えられたアフリカ諸国の独裁的な体制によって何の自己決定も与えられないまま、地理学的、社会階級的にフランスに追いやられ、彼らが障壁を乗り越えることのできない空間において、彼らには避難場所として、一人ならず怯えさせるのに十分な、抗議としてのあるいは宗教的な郊外の文化しか残されていない。
 統合のフランス式モデルがあるとよく言われる。難点はそのモデルがすっかり身を隠してしまっていることである。我々はそれをほとんど見ることがないし、上層当局は特にそれに気付かない。確かに、以前北アフリカ系の知事が慌乱の中で選ばれたが、フランスで何らかの統合政策が実行されているならば、我々はそれを祭り上げるべきではなかった。それは反対に統合の欠如の証であった。
 郊外の若者たちの怒りに対する権力の反応は雄弁なものだ。非常事態法は、憲法の下に保障された存在とみなされた万人の自由を軽視するだけでなく、いとも簡単にその自由が停止されることを明らかにする。そして、それ自体は自動車への放火よりも憂慮すべき政治的な行為である。植民地戦争の只中の1956年に初めて使われたこの法の使用には、一人ならずとも衝撃を受けた。
 しかし、郊外が激しく抗議することは“世界の終わり”である。実は、それは世界の終わりの前兆であろう。この数ヶ月間、「共和国の先住民」という声明が、メディア受けの良いインテリ階級の人間たちによって激しく非難された。今日、メディアは数ヶ月前に描き、告発していた情況の実例を突然発見する。しかし、我々は病に気付きそれに気を配るよりも、むしろ証拠を非難し壊す方法を選ぶ。フランスは植民地という過去に病んでいる。なぜなら、フランスは今日まで現実を包み隠そうとしながら、その過去を正当化し永続させようと試みることしかしなかったからである。
 アフリカは本国の政治と経済の問題を解決するためにじつに有用な兵士の、労働者の、そして“資源”の生産地であった。おかげで、フランスは第二次大戦という舞台で端役を演じ、「強国」という地位につくことができ、「栄光の30年」における経済的躍進を成し遂げることができた。今日ではもはや兵士も労働者もほとんど必要とされていないが、“資源”は利用され続けている。
 今、兵士や労働者の子供たちが生きている。我々は本当のアパルトヘイトよりも荒廃した、陰険で恥ずべきアパルトヘイトを彼らに実施した。しかし我々は、それは絶対にあってはならないという感受性さえも持ち合わせていない。
 “資源”、ただそれだけが今日では関心に値する。中国人やアングロサクソン人たちの欲望に対抗し、まさに権柄尽にそれと戦おうとしている。こういった立場において、人間は世界的な新しい経済的秩序の、新しい「危険な階層」を囲いの中に押し込め、身動きや流れを妨げる堂々巡りで進歩のない妨害者でしかない。よって我々はそのような妄想を誇示する滑稽さを恐れることなく、一夫多妻制を公然と非難するのだ。お誂え向きのアフリカは、ボンゴ、ビヤ、コンパオレ、サスー、デビ、ボジゼとその同類たち、そして彼らの規範に適った後裔や、正式に証印を押された後継者たちといった何人かの「友人」たちのみを住まわさねばならない。アフリカ―フランス間の伝統的な首脳会議の開催においては、そのようなお誂え向きのアフリカしか祭り上げられない。それは植民地の古めかしいイメージでしかない。しかし、歴史の中には民衆という歴とした存在があり、彼らは忘却の淵に置かれる時、予期せず意外なところで、招かれざる者として顔を出すのだ。
(オディール・トブネル)
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