2010年12月11日、アレヴァ社(※1)がニジェールで採掘中の2つのウラン鉱山のひとつ、ソマイル社(※2)の鉱山からの放射性液状廃棄物をせき止めるための(セメントで固められていない)堤防で、数メートルの亀裂が見つかった。ソマイル社によると、流出する「汁」は20万リットルに及ぶとみられる。反核ネットワーク「原子力撤廃」は、汚染地域の面積は2~3ヘクタールで、そこは、アーリット(※3)から3.5kmしか離れていないと予想している。 アーリットの市民グループは次のように述べている。「環境状態の監視がなされていない。流出を防ぐためのポンプが撤去されている。環境保護に対する企業責任への取り組みがなされていない。管理事務所が現場から撤去されている。堤防および貯蔵池の状態が悪い。環境調査計画に問題があり、正しく行われていない。こうした問題を防ぐための、ソマイル社およびBEEI(環境アセスメント事務局)による規制がない」。空気や地下水への放射能汚染の危険がある中、この市民グループは、「ソマイル社の経営陣がこの問題を各市民団体に伝えようとしない」ことを非難している。このことは、当然のことながら「アレヴァグループの価値憲章に反している」。12月17日、アレヴァ会長のアンヌ・ローヴェルジョン宛の手紙の中で、CRIIRAD(独立放射能調査情報委員会)(※4)は、政府から独立して放射能監視を行っている地元のNGOアギリンマン(Aghir in Man)とのパートナー協定の枠内で、次のことを要求している。それは、アレヴァグループが、必要とされる全ての技術的な情報、とりわけ、「汚染された地面の回復対策」を伝えることである。大統領選――国の主要な天然資源管理の未来がかかっている――を数週間後に控えているため、この明晰な要求は場違いなものとなる危険性がある。12月16日、アレヴァ社は手始めに、アギリンマンの標本調査参加を拒否した……。
SOSレイシズム(訳注:フランスの反人種差別組織)の元代表であったフォデ・シラ――何より彼は、原子力産業の多国籍企業であるアレヴァ(訳注:フランスに本社を置き、独仏を拠点に活動。傘下企業のアレヴァNPは、三菱重工と業務提携している)の職員でもある――といえば、11月23日に出された、反核ネットワーク「原子力撤廃」(Sortir du nucléaire)による報道発表がある。「実際のところ、シラ氏の使命は、原子力を環境に無害な物として選択肢に含めたいフランス当局の策略を、アフリカの指導者たちが支援するように説得するというものである。フランスの外交政策が、多国籍企業アレヴァと文字通り合併したことは、許し難いものである」。