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破綻したフランスのジャーナリズム【号外】

2011年3月17日
(特別に、スュルヴィ以外の記事を配信します)

仙台での地震とそれに続く原発事故以来、フランスのニュース番組は質を落とした。現地で収集された情報に対して、ニュース番組は専門家または自称専門家たちの意見ばかりを取り上げていた。多くの場合、そこでは視聴率を稼ぐために極端な危機が煽られ、原子力エネルギーを支持する、あるいはそれに批判的な政治的意見を表明するために、情報提供という報道の役割が犠牲にされた。
 
これまで、フランス的な自己中心的態度は報道の役割を蔑ろにしてきた。
 
今回、彼らの新たな本性が、ラジオ・フランスのジャーナリストたちの本国引揚げによって明らかとなった。

Radio France rapatrie ses journalistes du Japon... 投稿者 FranceInfo
 
こうした決定は理解しがたいものであり、フランスを恥じ入らせている。こうした措置が、例えばアメリカで同じような大災害が起こった場合に取られるとは思えず、これは人々のレイシズム的な態度のあらわれといえる。
 
ジャーナリストが福島で被爆する必要はない。彼らが東京に留まらないことも理解はできる。しかし、日本は大きな国である。福島と大阪はおよそ560km離れている(パリ―マルセイユ間が約660km)。
 
さらに、現在の大阪の放射線量を見てほしい。今朝の府内での調査では、毎時38ナノグレイから毎時58ナノグレイを記録した(参照サイト)。
 
フランスでは、毎時350ナノグレイが警告レベルとなっている。つまり、今のところ大阪を離れるいかなる理由もない。
 
特に、ラジオ・フランスによるこの決定は、そのフランス政府への影響力を考えると、想像しがたいものだといえる。フランスが今後、原子力に関する議論を避けられるとは思えない。けれども、ラジオ・フランスは情報収集という自らの役割を放棄した。そして、これからフランスのメディアは、出来合いの意見しか述べない人間だけに発言させることになる。そのため、フランスにおける原子力をめぐる議論は、まるで福島での事故がなかったかのように行われるだろう。人々が体験した事実や経験は尊重されることなく。
 
日本からの引揚げに正当な理由が見当たらないことから、ラジオ・フランスはフランスの民主主義を傷つけ、フランス人の「知る権利」を踏みにじっているといえる。
 
追伸:比較材料として、パリのIRSN(放射線防護原子力安全研究所)のデータを紹介する。
2003年1月22日:毎時112ナノシーベルト(クレモン・アデール通り29番地)
2003年1月20日:毎時121ナノシーベルト(クレモン・アデール通り33番地)(※1)
 
グレイとシーベルトの単位変換(※2)は難しく、放射線の性質によって異なる。
 
訳注
※1胸部エックス線の一回の放射線量は約5万ナノシーベルト。
※2グレイとシーベルトの違い

発信元:Un papillon francophone au Kansai
(翻訳・掲載許可を執筆者から得ています)
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