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論説:ダブル・バインド

Billets d'Afrique et d'ailleurs 204号(2011年7月)

クロード・ゲアン内務大臣――このポストは、かつてはシャルル・パスクワや、海外県・海外領土(DOM-TOM)相だったフランソワ・バロワンが務めた(訳注:現在DOM-TOM省は内務省に統合されている)――は、国籍法に対して抑えがたい欲望を感じている。今回彼は二重国籍を非難したが、今のところは徒労に終わりそうである。というのも、UMP(国民運動連合)議員の過半数の支持を得られなかったのだ。しかし、これはおそらく、左派から右派までの、ポピュリズムに踊らされやすい有権者をひきつけるための様子見であろう。
 
実際のところ、移民はフランスにとっての可能性(chance)ではないと述べた、アンドレ・ジェラン議員(共産党)の声明は憂慮すべきものである。私たちは、ドリオ(訳注:政治家。共産党を除名されてフランス人民党を結成。ナチスに協力した。1898-1945)やラヴァル(訳注:政治家。ヴィシー政権の副首相、首相として対独協力政策を進めた。1883-1945)らがいた1930年代に蔓延した空気の中にいる。当時は、ペタン政治の下で、ナショナリズムがナチスのドイツ軍への降伏に直接つながったのである。
 
訳注:2011年6月20日、ジェランはリヨン郊外のヴェニシュー市での会見において、「移民はフランスにとっての可能性(chance)ではありません。それは30年前から言われ続けてきた虚言です。」と述べた。
 
「歴史は繰り返される」。確かに、カール・マルクスはこの有名な警句を残したといわれているが、歴史は繰り返されず、足踏みしているといえる。「最初は悲劇として、二度目は笑劇として」。ゲアンが非常にたちの悪い茶番を演じていたとしても、ゼノフォビア(外国人嫌い)に満ちた文句を繰り返す喜劇の中で、彼が否定しようもないほど滑稽なのは明らかである。老いさらばえたファシズムを唱え続ける年寄りたちはといえば、ただ単にフランスの歴史を反映しているに過ぎない、新しい世代のフランス人たちを非難している。そのやり方は、嘘のでたらめな数字をでっち上げるというものでしかなく、これは、ジダーノフ(訳注:ソ連の政治家)が『Fouillis-les-Oies』(5ページ参照)の中で行ったような、全体主義的なプロパガンダをまき散らす時のやり口である。
 
粛清が流行している。「サッカー専門学校にいる、私たちの国には馴染まないフランス人を追い払わなければならない。さもないと、植民地の過去に端を発する、二重国籍という厭わしい特権を持っているらしい彼らは、それを盾に別の肌の色を擁護するだろう。そして、この特権は二重国籍を拒否しようとはしないスイスに譲り渡してしまわなければならない」という風に――二重国籍が認められるこの国は、出身国の税務署に追い回される多くの愚かな億万長者たちに逃げ場を与えている――。スイスは植民地を持たないが、実務家である。その一方でフランス帝国は、アラン・ジュペが言う(植民地、海外領土に対する)「本国」から遠く離れた場所で影響力を維持し続けている。「本国」は、最近の言い方では超周辺地域、かつては海外県と呼ばれた、相変わらず植民地であり続ける国々を混乱させ続けている。
 
国家として成立していない、これら全ての国々で奔走する高級官僚たちは時間と労力を無駄にしている。国籍付与の際に出身国を考慮に入れないという考えをバロワンは表明したが、植民地で動き回るそうした官僚たちより下の存在と見なされる(外国出身の)フランス人と、(国外で)フランスの軍隊と国庫に服従するフランス人ではない者たちをどのように区別するというのだろうか!
 
二重拘束(ダブル・バインド)から逃れたいがために、ゲアンは二重国籍に対して激しい怒りを表明している。グレゴリー・ベイトソンが提唱したダブル・バインドとは、二つの矛盾した命令を同時に与えられた者が、その矛盾を指摘することができず、しかも応答しなければならない状態を意味する。ここでのケースでは、植民地出身の移民たちに対し、一方では(彼らが)統合されることを厳命しながら、他方では、それが実際的にできないという状態である。つまり、彼の怒りは、二重国籍者の増加がもたらす状況に対するものである。
 
搾取のグローバル化と社会的排除による孤立を否が応でも被るのは、貧困に喘ぐ人びとである。果たして、ゲアンがボロレ(訳注:フランスの複合企業)に対し、ビジネスのためにフランスとアフリカのどちらかを選ばせることなどできるだろうか?
 
彼の関心はいっそう多国籍化、超国籍化しており、その上、分身のような人間たちが彼に媚びへつらっている。
 
(オディール・トブネル)
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