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協力省:新大臣、変わらぬ政治?

Billets d'Afrique et d'ailleurs 198号(2011年1月)

昨年11月の内閣改造で協力省が復活した。それから1ヵ月半も経てば、当然アンリ・ドゥ・ランクール新大臣の組織網は確立する。
 
2010年7月の初め、建築許可の不法取得をめぐる小さなスキャンダルが、アラン・ジョワイヤンデ協力担当大臣を辞職に追い込んだ。後任のポストは廃止され、当時外務大臣だったクシュネルが彼の職権とスタッフを直接統轄した。
 
11月半ばの内閣改造で、新外務大臣ミシェル・アリヨ=マリーの下、協力相の職が復活した。このポストには、前国会関係担当大臣で、それ以前はUMP(国民運動連合)の上院代表だったアンリ・ドゥ・ランクールが登用された。
 
能力ゼロ
 
ドゥ・ランクール就任の際、アラン・ジョワイヤンデは自分がアフリカについて何も知識がなかったことを認めた。ドゥ・ランクールに対するこの5年間の議会活動調査は、上院財政委員会――彼は何の根拠もなしに、開発援助および国外での軍事活動予算を通過させていた――への参加を除くと、自身が現在責任を負うべき問題について、彼には処理能力が全くないだろうと指摘している。
 
確かに私たちは、不法移民調査委員会を設置するための決議案が2005年10月に出されたことを知っている。その理由書は「断固たる政策、簡略化された政策」を称揚していた。それは「統合を実現するための正当な措置となる、厳しい入国管理による選択移民政策」である。
 
ビザ申請者やサン・パピエ(訳注:滞在許可証を持たない滞在者)たちはこれを高く評価するだろうか。
 
事業協力開発という使命
 
前任者同様にドゥ・ランクールも、とりわけ彼が擁護するPPP(訳注:パブリック・プライベート・パートナーシップ←公共事業の民間開放)に基づいて、協力政策によって企業に市場が開放されることを忘れていない。「つまり、ステレオタイプに閉じこもっていてはいけないのです。反対に、繰り返しになりますが、現在8億人の人口を抱え、2050年にはそれが20億人となるアフリカにとって必要不可欠な開発に出資するための、あらゆる可能性を開かなければなりません」(2010年12月23日、RFIの番組内で)。
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私たちは、この発言が大臣補佐による適切な指導の成果だということが分かる。その人物とは、当時PROPARCO(フランス経済協力開発振興公社)――民間投資を専門とするAFD(フランス開発庁)の子会社――副社長だったリュック・リグゾ以外にいない。
 
10月22日、彼はジュネーブで次のように表明した。「今日、アフリカは20年前の中国と同じ活発さで発展しています。支払い能力のあるひとつの消費者層が現れ始めています。アフリカを単に天然資源の宝庫のように見ることをやめなければなりません。何故なら、この大陸の潜在能力は、アフリカの人々自身だからです。2040年までに、アフリカの人口の6分の1の人々の年間購買力は、1兆7千億ドル以上となるでしょう」。
 
現況:フランサフリックで頻繁に行われる公式訪問
 
結局のところドゥ・ランクールも、彼が笑顔を誇示して付き合っている国家元首たちによる人権侵害や民主主義の軽視を何とも思っていない。彼のアフリカの最初の公式訪問先は、12月1日に中央アフリカ独立50周年記念式典が行われたバンギ(訳注:首都)であった。大統領=独裁者の椅子を手放さないために、自分に都合の良い選挙(訳注:投票日は2011年1月23日)を準備しているフランソワ・ボジゼ(関連記事)の歓迎を受けた後、彼は記者会見でボジゼの疑いを晴らした。「CEI(独立選挙委員会)があり、選挙の期日は公開され、候補者数もほぼ明らかです。私もそう思います。従って、民主主義が政治システムとして機能しているフランスやアメリカ、その他いたる国々で行われている選挙運動と変わりなく、大統領選キャンペーンがこれから始まると思います」(訳注:2月2日、ボジゼは再選された)。
 
彼の2回目の訪問先は、同じく独立50周年を祝うブルキナファソであった(12月10日-12日)。ここでは、大統領=独裁者との会談が大統領選後に行われた。というのも、ブレーズ・コンパオレが80%もの得票率で再選されたのは11月のことだった(関連記事)。
 
彼がローラン・バボ(関連記事)に民主主義についての説教を垂れたのは、この訪問中のことであった。それは、ブルキナファソの進歩主義勢力にとって象徴的な一日である、ジャーナリストのノルベール・ゾンゴと彼の仲間が12年前に暗殺された日の前日である。
 
これまでよりもフランサフリック的でない訪問の機会を新大臣に与えたのは、12月21日に行われた、新しいギニア大統領の就任式であった――52%の得票率で大統領選に勝利したアルファ・コンデは元々、大統領府(訳注:フランスの)にとって最も好都合な候補者ではなかった……――。但し、大臣補佐であるリュック・リグゾが、フランス企業の利益のために献身できるよう、コナクリ(訳注:ギニアの首都)で行われた政権移譲を利用しないとは思えないが。
 
(アリス・プリモ)
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