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コートジボワール:戦争と軍事介入が国連とフランスの失策を際立たせ、深刻化させている

2011年4月6日

arton3936-f7181.jpgスュルヴィは、国連とフランスがコートジボワールで行っている戦争という不正行為を断固として非難し、暴力と不正による支配を放置し続けてきた、いわゆる紛争「調停人」たちの違法行為を指摘する。

フランスと国連は最終的に、コートジボワールでの紛争に直接介入することに決めた。そこで繰り広げられるシナリオは、これまでになく最悪なもののひとつである。異議申し立てを受ける大統領を、もう一方で大統領を主張する人物に置き換えることだけが目的の、国連およびフランスのこうした軍事介入が、コートジボワール危機を恒久的に解決できるとは、現時点では不可能に思える。この危機のあらゆる中心人物たちは、10年前から権力争いを続けている政治的・軍事的な徒党体制をはじめとして、こうした混乱状態と、今日さらに顕著になっている犯罪増加の責任者である。しかし、その紛争「調停人」といわれる人間たちも同罪である。
 
国連の重大な違反行為
 
アビジャンへの軍事介入を目的とした、UNOCI(国際連合コートジボワール活動)による「コートジボワールの市民の保護」と日和見主義的な「重兵器禁止令」は、重大な違反行為以外の何ものでもない。アビジャンでの大量虐殺を予防する、あるいは停止することのできない彼らは、西コートジボワールなどの地域、とりわけデュエクエで活動している。国連は以前にも、武装解除、動員解除、社会再生プロセスを放棄したことがあった。しかもそれは、ワガドゥグ合意(訳注:2007年3月、バグボ大統領と反政府勢力「新勢力」のキバフォリ・ギョーム・ソロ事局長との間で成立した、和平プロセスを進めるための取り決め。これによりソロは首相に。)が認めているように、選挙を成立させることを目的としていた。今日もなお、この国がコントロール不可能な(「忠誠な」あるいは「反逆的な」)武装民兵や軍隊による暴虐行為を被っているというのに、多国間主義の関心は大統領選挙を組織することだけであった。
 
フランス外交とフランス軍の偏向と干渉
 
歴史的にみて、長期にわたる干渉と、軍事、経済、通貨に対する影響力を保持してきたフランス外交は、偏向した態度を長年とり続けている。それはさらに、大統領選とその結果に対する異議申し立てを原因とする、コートジボワール危機を支持する態度でもある。こうした態度は現在、もはや選挙戦の組織化ではなく、軍事衝突への直接介入という形で深刻な影響をもたらしている。ユニコーン作戦(訳注:在留外国人を撤退させる活動)を行うフランスの軍人たちは、平和維持活動という目的から最も離れたところにいる。2004年に彼らが、コートジボワールのホテルの前にいた群衆に向かって砲撃を行った事件が特に知られている。
 
今日、引き裂かれた国家に新しい大統領を武力で押し付けようとしているのは、こうした軍人たちである。彼らは、非常に疑わしい国連の正当性を隠れ蓑にしながら、常にフランスの軍司令部の下で活動している。フランス軍のヘリコプターが、大統領宮殿やRTI(訳注:コートジボワールのラジオ・テレビ局)といった、特に人々にとって象徴的な場所を爆撃したことは、国連任務の権限を越えている。さらに、繰り返しになるが、こうした暴力的な介入は、非常に深刻な結果をもたらす軍事活動を命令する、フランス政府の全権の下で行われている。そこには、議会によるコントロールが全く存在しない。
 
決して罰せられない犯罪
 
投票結果が何であれ、現在アラサン・ワタラは武力だけを頼りに、自らの正当性を主張している。それは、反逆者の武力であり、国連とフランスの武力である。大統領選(訳注:2010年11月)以来、こうした情勢から平和的解決策を想像するのは難しい。さらに付け加えておこう。フランスでは、ローラン・バグボの軍隊が犯した犯罪が全会一致で非難されたが、このことは、同様に重大なアラサン・ワタラ側による犯罪を黙殺したことになる。それでも、10年前から放置されている両陣営それぞれの罪を明らかにする必要はあるだろう。CPI(国際刑事裁判所)が公正な権限によって、コートジボワールでの全ての犯罪を明らかにしなければならない。CPIはそのことを望んでいる。同時に、CSCI(コートジボワール市民社会協定)が要求しているように、「真実・正義・和解プロセス」(訳注:独裁政治や内戦などにより、人々の生命や自由に対する深刻な人権侵害が生じた国々が、過去の過ちを公表しながら、人々の間の軋轢を解決するために設置する委員会などの総称。「真実和解委員会」、「真実委員会」など、各国・地域によって名称は異なる。)がコートジボワールで行われなければならない。
 
徹底的に排除された市民たち
 
結局のところ、現在対立している二つの犯罪的な陣営は、政治を担う市民たちを徹底的に排除してきたという点で共通している。国際社会が、コートジボワールに平和をもたらす意志を信用あるものにするためには、彼らが権力の移行というシナリオの中に、市民社会の存在を認める必要がある。
 
スュルヴィは以下のことを要求する
 
・在コートジボワールフランス軍の完全撤退。
 
・元反逆者(何人かの戦犯を含む)のアビジャン進攻への、フランス軍と国連軍の関与を明らかにする。
 
・2008年7月の憲法改正によって設定された措置に従い、フランス議会がユニコーン作戦を管理し、2002年から展開されているこの作戦の全容に関する調査委員会を設置する。
 
・西コートジボワールでの犯罪の責任者を起訴し、彼らをあらゆる政治制度から排除するために、新政権との関係を築く。
 
さらに、以下のことを要求する。
 
・2004年からの武器および(昨年9月から不正流出している)ダイヤモンド通商禁止令を監視する、国連専門家委員会の報告書の刊行。
 
・CPIによるコートジボワールでの犯罪の全容把握と、CSCIが要求する「真実・正義・和解プロセス」の実施。
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