Billets d'Afrique et d'ailleurs 189号(2010年3月)
3月8日、IAEA(国際原子力機関)およびOECD(経済協力開発機構)の協力の下で、フランスは原子力民生利用会議(※1)を開催する。この催しは、大使たちへの年頭挨拶(2010年1月)で、「フランスは原子力民生利用(※2)を全面的に擁護する国々の先頭に立っています」と述べたサルコジが、自身の言葉を裏付ける機会である。彼はまた、「議論の中心は、世界における原子力民生利用の再生についてです。何故なら、原子力民生利用に関する共有されたヴィジョンを持つことによって、我々は世界的なエネルギー安全保障という挑戦に答えることができるからです。」と述べた。これは、原子力は人類の未来であると宣言されたも同然である。同時に、ここでの「議論」は、核拡散がもたらす
廃棄物の処理(※3)や安全性の問題という、同様に重要な問いを巧みにごまかしている。但し、原子力のセールスマンであるサルコジは、原子力の民生利用と軍事利用とを微妙に区別しながら、「フランスは核拡散への戦いを優先的に行ってきました」(※4)と断言した。それでも、4月12日にワシントンで行われる核安全保障サミットが、「テロリストが核兵器を使用するという重大な危険性に対して、国際社会を動員する」(※4)ために行われることには変わりない。
訳注
※1
参照←在日フランス大使館。日本からは
松下忠洋(経済産業副大臣)が参加。
※2「平和的利用」とも表現される。例えば、2008年には
日仏共同宣言が出された。
※3日本の高レベル放射性廃棄物の一部はフランスの再処理工場に送られ、処理された後、再び返還され「
貯蔵」されている。
※4同じく、年頭挨拶での発言。
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