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アフリカのアレヴァ社――フランス原子力政策の裏側 5

AREVA en Afrique - La face cachée du nucléaire français(2012年2月)

img171.jpg隠された環境破壊と健康問題
コジェマ社、そしてアレヴァ社によるニジェールでの40年にわたる鉱山開発は、惨憺たる結果をもたらしている。そこでは、2つの鉱山周辺で、農牧業用の土地の略奪がおこなわれた。また、動植物は絶滅し、放射性の粉塵とガスによる大気汚染や、水資源の放射能汚染がすすみ、2ヶ所の巨大な帯水層は短期間で完全に枯渇してしまった。現地住民や鉱山労働者に対する健康への影響は深刻だが、そこには沈黙の掟がある。アレヴァ社が健康管理を担当することになっているのだが、奇妙なことに、治療をおこなう医師が放射線被爆を検出することはない。ガボンのムナナでは、採掘が停止されてから10年以上経っているが、現在も放射性廃棄物が残されたままであり、現地住民の健康状態が非常に懸念されている。
 
アレヴァ社の不透明な投資
アレヴァ社のビジネスは大失敗を起こすことがある。代表的な実例のひとつが、2007年、カナダの探鉱企業ウラミン・グループ(UraMin)を18億ユーロという不当に高額な価格で買収したことである。タックス・ヘイヴンとして有名な英国領バージン諸島に登記されているこのグループは、ナミビア、中央アフリカ、セネガル、南アフリカに子会社を持っている。2011年末、アレヴァ社が収支計算をすると、帳尻が合わなかった。すると、減価償却をおこなうために、ウラミンの買収額よりも高額な、19億ユーロ以上の金を用意したのだった! この買収問題を調べるために、2011年6月、財務監査が国民議会でおこなわれ、再調査可能な問題であることが指摘された。
 
ニジェール:アレヴァ社、蜂起、治安悪化
そこでどんな政治危機が起ころうと、また治安が悪化しようと、アレヴァ社によるニジェールでの鉱山開発がストップしたことは一度も無い。略奪者としてのフランスの存在は、サヘル地域での政治的緊張が増加する要因ですらある。1990年代と、2007年から2009年のあいだに起こった武装蜂起では、ウラン採掘による収益の分配が要求されていたが、それは、鉱山周辺に住む人びとのフラストレーションのあらわれである。アレヴァ社は、イムラレン鉱山開発のための環境調査をおこなったが、2008年に北部で出された非常事態宣言の混乱に紛れて、環境への影響が無いことを内輪で判断してしまった。2010年末、AQMI(イスラーム・マグレブ・アル=カーイダ機構)を名乗るテロリスト・グループが、アーリットの鉱山地区にある、アレヴァ社とヴィンチ・サトム社(Vinci-Satom)で働くフランス人職員7人を誘拐した。そのうちの5人は現在も人質となっており、アルジェリアと近隣諸国におけるフランスの軍事プレゼンスの強化が正当化される結果をもたらしている。そして、民間軍事会社とニジェール軍による治安維持が次第に強化されている。
(つづく)
 
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