Billets d'Afrique et d'ailleurs 186号(2009年12月)
サルコジもルラ(訳注:前ブラジル大統領)も、気候変動を救うために戦っている! これは、2人の大統領の交渉によって上演される美しい作り話である。現実はさほど美しくない。
炭素市場の設立に加えて、京都議定書のもう一つのネガティブな面に、2005年から実施されているMDP(
クリーン開発メカニズム)の創設がある。
これは、先進国の企業(つまり、二酸化炭素排出量の削減という目標に規制されている)が、適切と認められた計画に関して、貧しい国々に投資することを可能にする仕掛けである。おかげで、環境に有害なプロジェクト(大型ダム、バイオ燃料、パーム油など……)が推進されることになった。この投資活動によって、企業は
認証排出削減量を獲得し、国内の削減目標を達成させることができる。2020年までに先進国は20%削減しなければならないが、その内10%はMDPを使うことができる。ところで、コペンハーゲン(訳注:第15回気候変動枠組条約締約国会議開催国、通称COP15)で争点となるのは、MDPを森林管理、
二酸化炭素貯留、そして原子力にも適用することである! ルラ――国土の一部がアマゾンの森林に覆われている国の大統領――とサルコジによる共犯的な直接行動によって、フランス原子力業界のあらゆるセールスマンたちが、エジプト(訳注:アレヴァ社などが原発建設に乗り出している)を経由してナイジェリア湾に面した国々で営業している。11月19日、ジャン=ルイ・ボルロー(訳注:当時の環境相)はフォデ・シラに対して、コペンハーゲンでの気候変動に関する国連会議(訳注:COP15に同じ。2009年12月7日‐18日開催)までの間に、「大臣(訳注:ボルロー)の行動を支援し、アフリカの環境相たちとの関係を維持する」という任務を命じた。
SOSレイシズム(訳注:フランスの反人種差別組織)の元代表であったフォデ・シラ――何より彼は、原子力産業の多国籍企業であるアレヴァ(訳注:フランスに本社を置き、独仏を拠点に活動。傘下企業のアレヴァNPは、三菱重工と業務提携している)の職員でもある――といえば、11月23日に出された、反核ネットワーク「原子力撤廃」(Sortir du nucléaire)による報道発表がある。「実際のところ、シラ氏の使命は、原子力を環境に無害な物として選択肢に含めたいフランス当局の策略を、アフリカの指導者たちが支援するように説得するというものである。フランスの外交政策が、多国籍企業アレヴァと文字通り合併したことは、許し難いものである」。
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