Billets d'Afrique et d'ailleurs 179号(2009年4月)
彼の最近のアフリカ訪問は、既に耳にしたことのある演説を聞く機会となった。それは、専ら経済的な目的を持った実用主義を誤魔化すための言葉の焼き直しである。手短に言うと、「獲物を狙うフランスというイメージを壊す」ことである。
最終的にニコラ・サルコジは、環境保護を、再利用(リサイクル)を朗々と謳い上げる大統領となる。例えば、キンシャサ(訳注:コンゴ民主共和国の河港都市)、ブラザヴィル(訳注:コンゴ共和国首都。コンゴ川を挟んだ対岸はキンシャサ)、ニアメ(訳注:ニジェール首都)を巡るアフリカ旅行の際、彼は2006年以来願い続けてきた関係修復を行った。あまりに有名な2007年のダカールでの演説では、自分が「新たな関係」の創設者であることを望んでいた。2008年2月、サルコジは南アフリカでも、フランス=アフリカ間の新しい「交流モデル」の基盤を提唱した。要するに、「フランサフリック」という過激な表現を避けただけのことである。そこにはどんな狙いがあったのだろうか? 奇妙なことに、彼は今年ニジェールで、フランサフリックが「SF(サイエンス・フィクション)」だったと表明した。
2009年3月26日、友人であり、アフリカ大陸で最も信頼できない指導者のひとりであるサスヌゲソ(訳注:コンゴ共和国大統領)の傍らで、彼は再び、「過去の重い苦しみ」や「疑い」を振り払い、フランス=アフリカ関係を「刷新」すると宣言した。「私たちは刷新された親交関係を共に定めなければなりません。絶えず不信や疑いの原因となる[中略]過去の重い苦しみ」や「不透明であくどいといった形で常に誇張される関係を振り払う必要があります」。彼はフランサフリックの歴史に鑑みながらこう述べた。口先だけでなく、行動すべきである!
つまり、彼が私たちに伝えているのは、専ら経済的な目的を持った実用主義を誤魔化すための言葉の焼き直しである。特に、ニコラ・サルコジのアフリカでの「新しい力関係」が、フランサフリックの犯罪的実践と断絶するという公約を完全に放棄する、これまでに何度も行われてきた儀式を意味することは明らかである。
従って、ここで重要な点、即ちビジネスについて述べよう。キンシャサ(訳注:=コンゴ民主共和国)では、とりわけ鉱山と交通機関に関するいくつもの協定が、フランスとコンゴ民主共和国との間で結ばれた。鉱山に関しては、「国内におけるウラン共同調査」を行うために、Gécamines(国営鉱山会社)とのパートナー関係を可能にする「鉱山省とアレヴァ社の協力協定」が、アレヴァ会長アンヌ・ローヴェルジョンと鉱山相マルタン・カブウェルル・ラビロによって調印された。
アレヴァは既に垂涎している。「この協定はアレヴァが莫大な資源を手に入れるための道を切り開く可能性を持っています。コンゴ民主共和国は何よりも地理的に有益な可能性を持った国です」。コンゴ政府がフランステレコム社(訳注:フランスの大手電気通信事業会社)の活動に有利となる環境づくりを約束したことで、他にもいくつものフランス企業のプロジェクトが立ち上げられた。無住所大臣(!)のジャニン・マブンダ・リオコは、ヴァンシ(VINCI)社(訳注:フランスの建設業グループ)が、キンシャサにあるヌジリ国際空港の滑走路改修契約の競争入札で落札(3700万ユーロ)したと伝えた。この他にも、いくつもの企業に落札への道が開かれている。セメント業ではラファルジュ社(訳注:仏企業。セメント世界最大手)、インガ第二水力発電所のタービン改修(さらに!)ではアルストム社(訳注:フランスの大手重電メーカー)、水と電気についてはスエズ・グループとヴェオリア社(訳注:ともにフランスの水企業)である。クリスマスには早すぎる!
ブラザヴィル(訳注:=コンゴ共和国)では、サルコジに付き従うセールスマンたちが、彼の友人であるボロレ(訳注:仏複合企業、ボロレ・グループ代表)に力添えをしたおかげで、少し前からボロレ・グループが経営しているポント・ノワール港に2900万ユーロの貸付金がついた。AFD(フランス開発庁)が認可したこの金は、間違いなくさらに具体的な開発を可能にする。セールスマンのひとりであるアラン・ジョワイヤンデ(当時の協力担当大臣)は、「大規模工事によって、この港に世界的な競争力を取り戻させる」目的があると述べた。
AFDの貸付金は、2006年からコンゴ共和国政府が行っているPip(優先投資プログラム)と、ポント・ノワール港――ギニア湾で最も重要な港湾工事とみなされている――への総額600億CFAフラン(9100万ユーロ)の融資からなる。2008年4月の時点で既に、国庫の専門家による最大8000万ユーロという見通しがある中、フランスの援助は8000万ユーロに増額され、それは今後5年間で2億6000万ユーロに達すると予測されている。当時専門家たちは、石油収入があるため、コンゴはフランスの援助を必要としていないと考えていた。確かに、その時点では、ポント・ノワール港の経営権はボロレの手に渡っていなかった(
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最後に、サルコジはニアメ(訳注:=ニジェール)において、仲間のママドゥ・タンジャ(訳注:当時のニジェール大統領)と共にアレヴァの協定調印を祝福した。それは、北部イムラレンでの2012年からの大鉱山開発のための協定である。その裏では、ニジェールにあるITIE(採取産業透明性イニシアティヴ)(訳注:採取産業から資源産出国政府への資金の流れの透明性を高めることを目的としたプログラム)の現地事務局のメンバーとの設えられた会談がささやかに行われてはいた。しかしながら、複数のNGO団体や鉱山会社、およびニジェール政府が参加するITIEの勧告に強制力はない。また残念なことに、あまりに批判的なNGOはそこから外されてしまっている。ITIEのメンバーであり、GREN(ニジェールの採取産業について考えるグループ)に所属するサリス・ウバンドマによると、「サルコジ氏には不安を伝える必要があるので、ニジェール政府は我々が邪魔をすることに極度の恐怖を感じていました」。フランス大統領訪問の前日、GRENはアレヴァ社を非難し、4年前から開発が進められているウラン鉱床がある沿岸部の住民の環境と健康を保護する措置を取るように呼びかけた。サルコジが言う「獲物を狙うフランスというイメージを壊す」のは少し早い。
(ラファエル・ドゥ・ベニト)
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