2011年4月2日
この公開状は、2011年4月1日付『ユマニテ』紙に掲載された。
今から4年前、大統領選挙と総選挙の前日に、フランスとアフリカの約30の組織が、フランスのアフリカ政策を責任あるもの、開かれたものにするために、候補者たちに勧告を出しました。独裁的で腐敗した体制と共謀する政治ではなく、民主的で人権が尊重される、市民の手による政治のために。チュニジアでの革命以降、こうした要求は非常に今日的なものとなりました。それは、フランス外交をいくつかの政権に再接近させ、それどころか、リビアへの軍事介入を行わせるほどです。
2007年、ニコラ・サルコジを含む主な大統領候補者たちが、「過去の」外交政策との決別という公約を競い合う中、私たちは既に、こうした民主化への要求が反響を、特別な反応を呼ぶだろうと考えていました。
現実には、地政学的、経済的関心から独占的な利益を得るフランス外交に対する、人々の無理解が増大していることを私たちは既に知っていましたが、それ以外に考えられることはありませんでした。政治干渉は頻繁に行われ、軍事的または経済的な介入があり、アフリカには大変評判の悪い植民地の遺物が残されました。破裂するまで悪名高い体制を支援し続ける「安定論」という危険な幻想を告発することで、私たちはフランス当局がこの問題に注意深く耳を傾けると心から考えています。
私たちは、活発に動く一部の市民だけでなく、何人かのジャーナリストや議員、さらには外交官や参事官たちの中に、耳を傾けることのできる人間がいることを知っています。
しかし、いつも私たちの言葉の意味を歪め、不当な事柄を正当化することしかしてこなかったフランス政府が、私たちに耳を貸したことは一度もありませんでした。つまり、ごく僅かな改革の後ろで、「解放されたフランサフリック」にかかわる何人かの人物によってリアルポリティックス(現実政治)が続けられています。
実際、リビア、ガボン、コンゴ共和国では政変が相次ぎ、昨年7月14日(フランス革命記念日)には独裁者たちがレッド・カーペットの上を歩き、彼らの軍隊がシャンゼリゼ通りを行進し、マダガスカル、ギニア、モーリタニアでの政治危機に対しては曖昧な態度がとられ、移民たちは非難を受けています……。これら全ては、専らフランスの経済的利益に因るものです。協力担当大臣がある時述べた、「アフリカの人々を助けたいですが、見返りが必要です」という言葉は、ニコラ・サルコジのダカール演説(2007年7月)が意図するものに近いでしょう。
大臣殿、私たちはフランスの「偉大」で「高潔な」アフリカ政策を懐かしんでいるのではありません。アフリカのフランス語圏の国々が「独立」してからの50年間を汚してきた、スキャンダルや罰せられない犯罪の数々が証明しているように、そのようなものは一度も存在したことがありません。全ては、非常に脆弱な土台――人々のあまりに多くの無理解――と脆弱な信頼関係の上で着々と行われています。
人々の間に架け橋を築くことで、また、人権、文民統制、汚職および移民取締りとの闘いのための共通の価値観と計画を擁護することで、フランスとアフリカの市民団体はこの問題に取り組み続けていきます。これは、フランスの民主主義のための取り組みでもあります。
以前に外務相と首相を務められたことのあるあなたは、国家の機構を良くご存知のはずです。1990年のラ・ボール(訳注:フランス西部)演説に反して、フランスは何人かの独裁者たちを全面的に支援し続けました。その最も悲劇的な一例は、ルワンダでのツチ族大虐殺を引き起こした政府を、政治的、経済的、軍事的に支援したことです。
認めなければならない過ちがあり、行わなければならない方向転換があります。
最近アラブ世界で進行中の解放運動へのフランスの支援は、アジョルナメント(現代化)の始まりであるかのように伝えられることがあります。リビア同様に、こうした状況に対する不当な介入が無関心によって起ったのであれば、運動は不完全なものとなるでしょう。特に、反乱の報道のされ方の度合や、期待される地政学的影響が、フランスの外交支援を左右するのであれば。
民主主義を称揚するフランス外交のこうした態度が、サハラ南部で続けられていることが大変懸念されます。そこでは、反乱が報道されないばかりか、人々の絶望が溢れています。
実際に、最近報道された介入、とりわけ、2月27日の介入の際、フランス大統領はサハラ南部の国々の情勢について一言も触れることがありませんでした。それらの国々の権力の大部分が非常に独裁的かつ抑圧的であるにもかかわらず。
しかしながら、ブルキナファソ、ガボン、モロッコ、モーリタニア、ジブチでは人々が立ち上がりはじめ、抵抗運動が、チャドやカメルーンなどの国家元首たちの不正な再選を防ぐために行われています。こうした人々には、フランス外交の見直しを求める権利があり、彼らは今日、アフリカの人々の民主化要求に答えるための、あなた方の具体的な取り組みを期待しています。これは、独裁者の失墜を今も期待し続けている人々を含む、アフリカに住む全ての人々の願いです。私たちは、フランス外交がこうした願いに答えてくれるだろうと、あなたを信用しています。
署名者
ギュスターヴ・マシア(経済学者「Cedetim/Ipam」)、ミシェル・ロワ(弁護士「フランスカリタスカトリック救援団」)、ファブリス・タリ(「スュルヴィ」副代表)、ブリス・マッコソ(「コンゴの司法と平和」)、クリスチャン・ムンゼオ(「コンゴ人権連合」)、マルク・オナ(2009年ゴールドマン環境賞受賞、「ブレイン・フォレスト」←ガボン)、アズィズ・マラス(「アタック・モロッコ」)、ジャン=ポール・ソルネー(「連帯市民」代表、「アクション・エイド」関連団体)、ジャン=ルー・シャール(「ジブチ人権尊重連合」代表)
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