Petit guide de la Françafrique
「独裁者たちも、汚職にまみれた政権が支配する国々も支援することはないでしょう」。ニコラ・サルコジを大統領に選出したこの公約に、これまでのフランス=アフリカ関係を断ち切ろうという意志があったとしても、彼が当選してからの行動をみれば、その約束が儀礼的な誓いでしかなかったことがすぐにわかる。そして、新大統領は、フランスの緩衝地帯(ポール・ビヤのカメルーン、ブレーズ・コンパオレのブルキナ・ファソ、イドリス・デビのチャドなど)における、「由緒のある」独裁者たちへの経済的、外交的、軍事的支援を全面的に継続しただけでなく、モーリタニアとマダガスカルで勃発した軍事クーデターを積極的に支援し、コンゴでの不正選挙によるドニ・サス=ヌゲソの再選、ニジェールのママドゥ・タンジャ政権での合憲的なクーデター、さらには、ガボンのアリー・ボンゴ一族による不正選挙を有効と認めた。もっとも、これらのことは、サルコジがシャルル・パスクワ(訳注・元内相)の政治的ネットワークの継承者であることを考えれば、それほど驚くようなことでもない。パスクワは、パトリック・バルカニー(訳注:UMP所属)のようなきな臭い人物や、マルタン・ブイグ(訳注:ブイグ・グループ社長)、ヴァンサン・ボロレ(訳注:ボロレ・グループ社長)といったフランサフリックの略奪者たちと親しい関係にある。実際のところ、フランスの経済的・戦略的影響力のためには、民主主義や人権の擁護など、彼にとっては些細なことでしかない…。
ニコラ・サルコジがどれほど「フランサフリック的」な考えを持っているのかを、彼の独裁者や企業に対する好意的な態度だけではかるのは不十分である。それはまた、アフリカおよびアフリカの人びとに対してなされた、いかにもサルコジ的な言い回しに満ちたスピーチからも読み取ることができる。ダカールでの演説(訳注:2007年7月26日)は、家父長主義的かつレイシスト的なものであり、そこでは、移民は犯罪者扱いされ、彼(女)らが更生する可能性は拒否された。さらに彼は、アフリカの人びとの不幸は、彼(女)ら自身にのみ責任があると述べ、罪悪感を抱かせたのだった。
サルコジのフランサフリック政策でただ一つ特殊なのは、その「解放された」性格、つまり、恥知らずという点である。特に、ロベール・ブルジ(訳注:フランスの弁護士)やアリー・ボンゴにレジオン・ドヌール勲章を与え、さらには、トタル社にアンゴラの石油資源を与えるために、アンゴラゲート事件(訳注:2001年にフランス=アンゴラ間でおこった汚職事件)訴訟の進展を公然と遅らせている…。最近も実に興味深い出来事があった。2010年7月14日に、「独立」50周年記念をシャンゼリゼ通りで祝うため、アフリカの独裁者たちと「家族会議」を開いたことである。
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