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フランス=アフリカ関係/フランコフォニーを考えるためのブログ

   
カテゴリー「リビア」の記事一覧

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チャドからリビアまでの独裁者インターナショナル

Billets d'Afrique et d'ailleurs 200号(2011年3月)

デモ参加者たちを叩きのめすためにカダフィが呼びかけるつもりの「傭兵」について議論するだけでは不十分である。なぜなら、その一部はヨーロッパ大陸の様々な国軍部隊なのだ。たとえ出身国の参謀部からたっぷりと報酬を受け取り、派遣されているとしても、彼ら兵士たちは、多くの独裁者たちによる、リビアの人々の革命を破壊する試みを公然と支援している証拠となっている。
 
インターネット・サイト、lejourguinee.com は2月24日からこう指摘していた。「ギニア、ブルキナファソ、アンゴラ、スーダン、チャド、中央アフリカなどの大統領らは、指導者の“密使”から連絡を受けた。そして、未熟な革命に巻き込まれた指導者からの救援要請に全員が積極的に応じた」。続いて、2月27日には、「リビアの独裁者と袂を分ったために、先週共に辞任した国連大使らは、国連安全保障理事会において、リビアに傭兵を派遣したアフリカの国々に対して抗議しようとしている」と指摘していた。
 
自分たちの仲間のひとりを実際に助けに駆けつけた、アフリカの国家元首たちのリストはまだ完成していないが、tchadenligne.com によれば、チャドの兵士たちの参加が、リビア正義党の党首と、チャド国外でデビ政権に反対する武装勢力のコーディネーターによって確認されている。
 
チャドに配置されたフランスの軍人たちと、フランス軍とデビの参謀部との関係を見ると、フランス軍が少なくとも、このチャド=リビア間の「連帯」に通じていることが容易に想像できる。チャドのフランス軍に対して批判的な数少ないフランスの議員のひとり、ガエタン・ゴルス(訳注:社会党所属)が、2月25日に政府に向けて書いた質問(参照サイト←フランス語)の中で、早急に次のように決断している。「二国間合意によってチャドに駐留し、チャド政権と連携するための重要な情報収集・諜報手段を持っているフランス軍がいることから、私は国防大臣に次の事を指摘したいと思います。あなたは、チャドからリビアに対する軍事活動が起こり得ることを立証する、またはそれを防ぐための情報を持っている、あるいは持つことができるのではないでしょうか? そして、もしそうであれば、最近『フィガロ』紙の記事が言及したように、それらの軍事勢力はチャド大統領の警備隊なのではないでしょうか?」
 
答えは間違いなくウィ(Oui)である。フランス軍は当然これらの勢力を手中に収めている。しかし、彼らがそのことを認めるとは思えない。
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カダフィを悼んで

Billets d'Afrique et d'ailleurs 200号(2011年3月)

アンリ・エマニュエリ(※1)は2008年に、開発援助に関する国民議会財政委員会の報告書の中でこう述べている。「開発プロジェクトへの予算が欠乏しているなかで、あなた方の特別報告者は、リビアが優先連帯地域(ZSP)(※2)に属している訳でも、フランス開発庁(AFD)の介入範囲にある訳でもないのに、リビアのベンガジに新しくできる病院の設備へ出資するために、AFDが3000万ユーロを寄付しなければならないだろうと強調しています」。
 
2008年12月4日付の『メディアパール』(※3)では次のように指摘していた。「ベンガジとはまさしく、昨年解放された――パリとトリポリとが再び親密になっているサインである――(ブルガリア人)看護師たち(※4)が勤務していた病院のある場所です。身代金は少なくとも3000万ユーロでした。(おっと失礼! それは“寄付金”です)」。
 
訳注
※1アンリ・エマニュエリ(1945-):社会党の議員。
※2優先連帯地域:フランスが「持続的開発」と「連帯」の名の下で国際協力を行う対象に指定した開発途上国。指定されている55ヶ国のうち、43ヶ国がアフリカの国々。
※3メディアパール(Médiapart):フランスのインターネット新聞。http://www.mediapart.fr/ 2011年2月12日、「ウィキリークス」のパートナーとなった。
※4ベンガジの病院で働いていたブルガリア人看護師5人と医師(パレスチナ人)1人が、子どもたちをエイズ・ウィルスに感染させたとして死刑判決(2004年5月)を受けた事件。2度の死刑判決を経て、2007年、リビアの高等司法評議会は、EUから被害者へ保証金が払われることで終身刑へ減刑。その後、同年7月4日に全員釈放された。その際、フランスとリビアの間で政治的・金銭的な裏取引があったといわれている。看護師らが「感染させた」という証拠は無く――6人が勤務する前から病院内では感染が始まっていたと指摘されている――、冤罪事件とみられる。全員が無実を主張し続ける間、数多くの拷問が行われた。

ジョワイヤンデ・ストラテジー

Billets d'Afrique et d'ailleurs 184号(2009年10月)

「リビアにいるのは正しい戦略です」。アラン・ジョワイヤンデ協力・フランコフォニー担当大臣はこう断言した(2009年9月1日付『パリジャン』紙)。
 
ムアンマル・カダフィ政権40周年記念式典に出席した唯一の西ヨーロッパの政府の代表であるジョワイヤンデは、アルカイーダが展開するサヘル(※1)を「安定化」するために、ヨーロッパがムアンマル・カダフィの「影響力を必要」としていることを明らかにした。専門家は常に必要とされる。彼にラファール(※2)を売りさばくことができるならなおさらだ!
 
訳注
※1サヘル:サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域。西からセネガル、モーリタニア、マリ、ブルキナファソ、アルジェリア、ニジェール、ナイジェリア、チャド、スーダン、エリトリアにまたがる。
※2ラファール:フランスのダッソー社が開発した戦闘機。リビアは2007年に購入。

リビア:新聞記事すれすれのフランサフリック

2005年3月1日

2005年2月8日付『ル・モンド』紙、「フランスとカダフィ大佐のリビアが軍事的、「戦略的協力」を再開」(ローラン・ゼッシーニ記者)より。
 
1960年に大佐が政権を奪取して以来、リビア・ジャマーヒーリヤ(共和国)に赴く最初の女性大臣であるミシェル=アリヨ・マリー国防相は、主である彼が、軍事的アプローチはアフリカ大陸の諸問題を解決するのに良いものではないと打ち明けるのを聞いた。この話題以後は控えめな調子となった、リビアの国家元首のスピーチにおける外交に関するこうした信仰の表明は、ジャック・シラクが2004年11月の訪問の際に彼に敬意を表したような、リビアが表向きに示した実利的な転機を裏付けた。アリヨ・マリー氏は、そのような極端な方法を避けるための最良な方法は、両国が2国間関係のあらゆる側面を包括する「戦略的協力」に関する協定を結ぶことであったと答えた。とりわけフランスのアフリカ政策に関して、様々な問題への両国の見解が一致しているのであれば、フランスはその対外援助の拡大をさらに進めることになるだろう。そうでなければ、カダフィ大佐はコートジボワールにおけるフランス軍の存在を遠慮なく非難するし、ジブチの情勢も不安に思うはずである。
 
カダフィ大佐は長い間、リベリアの将軍チャールズ・テーラーが所有する悪名高い企業を特に支援することになる、アフリカでの様々な内戦の主要な扇動者の一人であった。彼がこうしたアプローチを完全に放棄しているのなら、むしろそちらが良い知らせである。これまでの不安定な戦略の中で、ブレーズ・コンパオレ(※)やチャールズ・テーラーの周辺あるいは中央アフリカにおいて、彼はしばしばフランサフリックの味方であった(参照:ヴェルシャヴ『黒い沈黙』2000年、アレーヌ、pp.346-350)。「フランスのアフリカ政策」からの利益を準備することになるであろう、ミシェル・アリヨ=マリーが提案した「戦略的協力」は、こうした同盟関係の再開に実にふさわしいものだ。即ちそれはフランサフリックである。裕福で影響力のあるカダフィは改めて特権的な中継地となるだろう。この戦略がテイラー・システム的な「極端な方法」を放棄したとしても、アフリカの人々の利益となる可能性は極めて低い。
 
(フランソワ=グザヴィエ・ヴェルシャヴ)

訳注
※ブレーズ・コンパオレ(1951-):1987年10月15日からブルキナファソ大統領を務める。

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